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金剛杖

【金剛杖(こんごうづえ)】
ほとんどのものが長さ130センチほどの、木でできた杖です。
握りやすく疲れにくいように、面取り加工が施され、角が丸くなっているものが人気のようです。
単に歩く時の助けにするための杖ということなら、お手持ちのトレッキングステッキやウォーキング用の杖などを使われても問題ありませんが、金剛杖は特に弘法大師の化身とされており、弘法大師とともに遍路道を旅するという意味でも大切な杖です。
ほとんどの金剛杖には、「同行二人」や「南無大師遍照金剛」と書いてあります。
それらに加えて、その下に般若心経が書かれているものもあります。

金剛杖は、杖の上部に「地水火風空」の梵字が書かれ、五輪の塔を表しています。
これは、昔、お遍路さんが行き倒れて亡くなってしまった時に、この杖を卒塔婆代わりにして葬ったことによります。
梵字の部分を隠すように、布で出来たカバーが被せてありますが、これは、梵字の部分に手が触れるのは失礼だということで、それを防ぐためのものです。
地元のお年寄りの中には、カバーを外したまま旅を続けているお遍路さんを見かけると、「死んだまま歩いている」という人も居るそうです。

多くの方は、この杖を持つことで、寂しい道や険しい道を一人歩いている時でも、常に弘法大師と一緒に歩いているという安心感や一体感を得ることが出来、旅の道中の心の支えと感じておられます。

弘法大師の化身である金剛杖の取扱方には、しきたりに基づいたルールがあり、注意が必要です。
お遍路さんにとってはとても神聖な杖ですので、知らなかったでは済まされないことと肝に銘じ、しっかりと覚えておきましょう。

◆橋の上で杖をつかない。
四十三番札所明石寺から四十四番大宝寺への途中、愛媛県大洲市の国道56号線に「十夜が橋」(とよがはし)という橋があります。
この橋の名前の由来は、修行中の弘法大師が、ここで野宿した際、余りの寒さで一夜を十夜のように感じたという言い伝えによります。
以来、橋の下には弘法大師が休まれているとされ、お遍路さんは、橋を渡るときは杖を突かないならわしになっています。

◆杖の先を刃物などで削らない。
旅を続けるうちに、杖の先はだんだんとささくれ立ってきます。
その場合でも、杖の先は弘法大師の足と同じですので、決して刃物などで削ってはいけません。
地面にこすり付けてささくれをとります。
八十八番札所大窪寺の大師堂前の石畳でささくれを落とすとされています。
その頃には、長旅での磨耗により杖は10センチ以上短くなるといわれています。

◆一日の終わりには、最初に杖の手入れをする。
金剛杖自体が弘法大師とされていますから、その足となる杖の先を必ず最初に洗います。
自分よりも先に洗い清め、床の間などの部屋の中では一番清浄な場所に立て、合掌して感謝の言葉を述べます。
これは、常に弘法大師への感謝を忘れないことにも繋がります。
大切なのは、「自分より先に杖を清め休めること」と、「汚い場所には置かないこと」です。
同様に、休憩時にも先に杖を休ませてから自分の腰を下ろすようにし、お手洗いの中には持って入らずに、必ず外に置くようにします。

◆他人の杖を使ってはいけない。
お遍路さんにとって大切な金剛杖ではありますが、落し物や忘れ物が多いのも実情です。
もし、それらの杖を見かけても、拾って使ってはいけません。
そうすることで他人(持ち主だった人)の業までを背負って歩くことになってしまうとされているからです。
他人の杖と取り違えて使っていることも同じことになりますから、自分の杖はきちんと見分けがつくように、目印に工夫をしましょう。


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